2017年 第四戦(最終戦) 日立カップレポート
日立カップ
10月15日(日)、日立市河原子海岸北浜で、今年度のISU茨城サーフィンサーキットの最終戦「日立カップ」が開催された。大会がスタートした7時には、鈍よりとした曇り空であったが、11時頃からは終了まで、天候は小雨模様となった。風も北からのサイドショアで、12月のような寒さを感あgじた。
波は、大会がスタートした時点では、潮の引き過ぎでクローズアウト気味のブレークであったが、徐々に潮が満ちて、腹から頭サイズのコンテスト向けの波となっていった。
ショートウイメン・クラスのファイナルは、ヒート序盤で、サイズのある波に、角度のあるオフ・ザ・リップを決めた我妻久美が、バック・アップスコアーも十分に揃えて、余裕の優勝を飾った。2位は倉持恵、3位は五味雅恵、4位は北崎美優と続いた。年間チャンピオンの座は、我妻久美が獲得した。
キッズチャレンジ・クラスのファイナルは、ファイナリスト全員がテーク・オフを頻繁に繰り返し、見ているギャラリーを沸かせた。そんな中、ヒート中盤と終了間際に鯉沼多輔が、良い波に乗り、ハイスコア-を2本揃えて、他を圧倒して勝利した。2位は仙台からの竹内海吐、3位は坂本瑚々那、4位は青木依央となった。
ロングボードオープン・クラスのファイナルの前半は、全員が良い波を捉えられずスコアーメイクに苦しんでいた。ゲームが動いたのが後半で、2本の良い波を捉え、それをメークした鈴木頼聡が頭一つ抜け出したという感じで優勝した。スコアーを伸ばせず鈴木に点差を付けられてしまった佐々木一浩が2位、山口正明もライディングがスコアーに反映されず3位、石崎学は妨害をしてしまい残念な4位に終わった。尚、年間チャンピオンは鈴木頼聡となった。
チャレンジ・クラスのファイナルは、井上真男と菊池一沙の一騎打ちとなった。井上は、このヒート中のベストスコア-を出したものの、バックアップスコアーが低く、菊池に及ばず2位となり4連覇はならなかった。菊池は、予選から良いライディングを繰り返していたが、やはり優勝した。3位は安島偉、4位は木村崇と続いた。このクラスの年間チャンピオンは、断トツで井上が獲得した。
オープン・クラスのファイナルは、斉藤幹太の、ぶっちぎりの優勝と言ってもよいだろう。縦横への技の切れは、他を一歩引き離していた。2位の小林大真は、見るたびに、著しくレベルアップしたサーフィンを見せてくれて、楽しみな存在になって来た。尚、年間チャンピオンは、斉藤幹太となった。
スペシャル・クラスのファイナルには、地元河原子の五来潤、大洗サンビーチの坂本良澄竜、鹿島平井浜の高校生木村美海、千葉一宮の高橋剣哉が進出した。序盤から、躍動感のある攻める姿勢のサーフィンを、展開していた木村が、中盤にライトブレークの良い波を捉え、スコアーメイクに成功した。終盤に乗りあぐんだ木村だったが、中盤に乗った波によって優勝を掴んだ。追い上げを図った高橋だったが、終盤良い波に乗れず、追い上げならず2位となった。3位には、試合前に年間チャンピオンが決定した五来潤。4位は、健闘した坂本良澄竜となった。
ISU茨城サーフィンサーキットの、今年度の最終戦が終わった。各クラスの年間ランキングも決定した。今年を振り返ると、キッズチャレンジ・クラス、チャレンジ・クラス、オープン・クラスなどで小学生たちや中学生たちの活躍が目立った。全日本選手権や、その他の全国規模の大会で、ここ数年、不振が続く茨城勢にとって、底辺の底上げが、はっきりと形になって現れた感じだ。数年先が楽しみになって来る。また、レディスショートボード・クラスも、レベルアップが著く、技となって表れていた。だが、層の薄さが気になる。
ISU茨城サーフィンサーキットの次は、来年の開幕戦だ。これから、寒さの厳しい長い冬がやって来る。茨城の冬はベスト・シーズンだ。良い波が頻繁にやって来る。寒い冬のサーフィンを、楽しみながらすることが良い。そして、スキル・アップした姿を来年に見せて欲しい。
(リポート&PHOTO・石毛正昭)