第二戦
茨城県知事杯レポート
茨城県知事杯
6月26日、東海村豊岡海岸でISU茨城サーフィンサーキット第2戦・茨城県知事杯が開催された。波は膝から腰のサイズでセットで胸程で、風は大会が進むに従って、南からのオンショアが強くなっていったが、選手たちへの悪影響は感じられなかった。陽が差してさわやかな風が吹いた気持ちのよい一日だった。
前大会からテスト的に行われているショートボード・ウィメンクラスは予選のヒートから各選手が果敢にテーク・オフを試み、ファイナルまで興味が尽きることない見ていて面白いクラスだった。その中で優勝した北崎美優選手の動きは滑らかだった。セミ・ファイナルで見せた、スピード乗せた角度のあるオフ・ザ・リップは印象に残った。ファイナルでも、最後のライディングで高得点を挙げ、一発で優勝を決めている。2位には長谷川綾、3位には中島幸乃、4位には高田明日香と続いた。
ロングボード・ウィメンクラスは予選から混戦状態の試合展開が最後まで続いた。ファイナルでの勝敗の行方は、事実上4選手のハイスコアーの差で決定付けられた。植村香織はヒート前半に、良い波を捉えてローラーコースターとノーズライディングを絡めたロング・ライディングで見せ場を作り、ハイエスト・スコアーを得て優勝を決めた。2位の古沢優子は健闘していたものの勝敗に影響する決定的ライディングがなかった。3位の鈴木絵美は数本のロング・ライドはしたものの技に事欠いた。4位の渡辺久美も波に恵まれなかったのか、古沢、鈴木と同様にインパクトのあるライディングが無かった。
ロングボード・メンズクラスのファイナルは、常連のファイナリスト石崎 学と皆川次郎がノーズライディングとローラーコースターを、比べてくれと言わんばかりの応酬戦だった印象が強かった。最初から飛ばしていた石崎が、1本目のローラーコースターで、このヒートの最高点をたたき出し、次の2本目も自身2番目となった得点を挙げて、追いすがる2位の皆川と3位の佐藤庸忠から逃げ切った展開となった。4位は鈴木ヨリトシとなった。
チャレンジクラスのファイナルは、攻撃型サーフィンをする中1の飯塚孔明のライディングが目を引いていた。不安定な感はあるが、次に何をしてくるかという視点で見ていると非常におもしろかった。飯塚は2位。小学生の小林大真はスピードがあったが意外にスコアーが低く3位となった。優勝した平岡貴信はリップ・ライドでハイスコアーを2本揃えてスコアーの上では圧勝だった。4位の川井トシキは僅かに一回、悪い波へのテーク・オフで終わった。また、次の大会も飯塚、小林の二人の活躍が期待できそうだ。
オープン・クラスのファイナルでは、優勝した根本英祐以外はコンテストでスコアーを上げるため、ただ勝つためだけのサーフィンで、見ていて非常につまらなかった。ボトムを使わないサーフィンで、重さが無くただひらひらと軽く、ちょっと大きい波では通用しないだろう。スペシャルクラスとはかなり大きな差を感じた。予選からただ一人根本だけは深くボトムをえぐり、一気にトップへとトライを繰りかえしていた。他を寄せ付けず優勝したことは当然だと思う。少々がっかりしたヒートだった。
スペシャル・クラスのファイナルは非常に興味深かった。大田友貴の連覇、最近の野田修成の波乗り、そして大江良太の3年振りのISUサーキット出場と坂本ラスタの復帰と。この4人が、ファイナルで顔を合わせることにはなるとは、予想もしていなかったので楽しみは倍増した。大田友貴はライド1本目から全開で2本目、3本目とクールにハイスコアーを積み上げていった。中盤から後半に掛けては、大江良太のシングル・フィン・フィバーがジャッジと観衆を魅了していた。坂本ラスタは小波を選択していたがラウンドハウス・カットバックの切れ味は鋭かった。野田修成は楽しくサーフィンをし過ぎてガッツは感じられなかったが、今回はそれでいいように感じた。次は問題だが、、。
結果は大田の優勝で幕を閉じ、3位になったラスタの今後の復帰は確定したし、2位の大江良太の健在振りは知らしめたし、だが野田修成にはもっと爆発してもらいたい。そして、大田にはさらなる結果を残し続けて欲しい。
残すは3,4戦となった。毎年、3戦目には、これまで見られなかった活きの良い若手が現れてくる。夏の波乗りが若手を大きく成長させるからだと思う。やはり、サーフィンは真夏の、常夏の究極の遊びなのでしょうか?イヤ、もう遊びではないでしょう。オリンピックの公式種目になるのですから。やっと気安くサーフィンがTVで見られる事になりますよね。よかったです。次の大洗カップ楽しみにしてます。
(リポート&PHOTO・石毛正昭)
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