第一戦河原子チャレンジレポート
河原子チャレンジ
今年度のISU茨城サーフィンサーキットの初戦「河原子チャレンジ」が、5月15日(日)に河原子海水浴場北浜海岸で開催された。天候は曇り時々晴れ。北東のやや強めのオンショアが吹いて、暖かい日が続いていたが、この日は寒さを感じる一日となった。しかし波のサイズは最小でヒザ、最大でピークが胸程であった。不規則なブレークがであったが波は左右とも平等に崩れてコンテスト・ライドには問題のないコンディションだった。
今大会から「ショートボード・ウィメン」が、これまでの5クラスに加わり、まだテスト的にだが設けられた。これまで、このクラスは茨城のウイークポイントとなっており、国内や海外の流れに対応するためにも多いに必要であると思う。さてそのショートボード・ウィメン・クラスだが、千葉からやって来た中学1年生の中塩カナがぶっちぎりの優勝を飾った。この大会には初参戦だったが、予選から決勝まで他を寄せ付けない程の多彩なパフォーマンスを繰り出して圧倒的に勝利した。2位は五味雅恵、3位は山本シンリ、4位は長谷川綾と続いた。今後に期待で着る楽しみな部門だ。
ロングボード・メンの決勝は大混戦であったが、それを僅差で制したのが皆川次郎だった。昨シーズンは故障で、思う様に波乗りができない状態からの復活は嬉しかっただろう。ただ決勝のヒートを見ていて、誰が勝っただろうというウイニング・ライドは見当たらなかった。
ロングボード・ウィメンの決勝もロースコアーの中での混戦だった。誰かが一本いい波に乗りいいライディングをしていたら、順位はたちまちのうちにひっくり替えったであろう。その戦いの中で藤ノ木梓がローラーコースターを成功させ優勝を決めた。技の出しにくかった波が多かったことは見ていて良く分かった。
チャレンジ・クラスの決勝では斉藤知也、坂本和也、飯塚孔明がそれぞれに一本ずつ良いライディングをしたが、そのスコアーの差がそのまま勝敗に繋がった。カウントされる二本目のライディングがそれぞれにロー・スコアーで、結局誰かがもう一本の良いライディングをしていれば順位は容易に入れ替わったことだろう。塚本が優勝、2位は斉藤、3位は小学生の飯塚という結果になった。このヒートはそれぞれテーク・オフの数も多く、技へのトライする意欲も十分に感じられ見応えがあった。
オープン・クラスの決勝は、西田直史が数多くの波に乗り、その中で2本を無難にメークして優勝した。2位になった中塩カナはショートボード・ウィメンとの掛け持ちで大忙しであったが、このクラスでも2位と大健闘した。優勝した西田と中塩は、スピードに乗せてから技を繰り出していたが、3位の桜井亮太と4位の原田知治は、スピード不足のラインドライブから技を試みていたようだった。順位の優劣はその違いから決まってしまったのだろう。
スペシャル・クラスの決勝は、終始、大田友貴の独壇場で終わった。ヒート中盤で見せたスピードと角度のあるライト・ブレークへのリップ・アクションはジャッジ側を感嘆させるほど素晴らしものだった。カウントされるもう一本のライドも高得点を挙げ他を寄せ付けない完璧な勝利を決定づけた。2位の五来 潤はメーキング・ザ・ウエーブスのスタイルを貫き通した。あまり良くないと見える波に乗り、丁寧なライディングを根気よく繰り返して、技を絡めたロング・ライディングへと結び付けていた。スモールウエーブでのラウンドハウス・カットバックは素晴らしかった。3位のバ・ジョは、予選から好調なライディングで目立っていた。しかし、決勝では波を待ちすぎたのか、3度のテーク・オフの中で良い波に恵まれなかった。4位の石津健太にとっても、いい波に乗れず目立ったライディングが無いままヒートが終了しまったことだろう。大田は、約2年振りの優勝だが、まだ昨年の鬱憤を満足に拭い去ったとは言えないのだろう。「次ですね」と気持ちはすでに次戦にむけて切り替えていた。
今年度のISU茨城サーフィンサーキット初戦の「河原子チャレンジ」が開催され終了した。初戦とあって、コンテスト開幕を待った選手たちの熱気が大会を多いに盛り上げていた。選手達の熱戦を観戦に来た一般の方々も多く、少々ではあるがここ河原子ビーチは、サーフィンが文化として根付いて来ているのかなという感じがした。それにしても茨城北支部の手際の良さには敬服してしまう。運営はスムース、選手や関係者にはホスピタリティ溢れるおもてなし、、、。感謝いたしております。
さて、選手の皆さん次の大会、来月です。ベストを尽くしてください。
(リポート&PHOTO・石毛正昭)
大会の模様は、コチラよりご覧頂けます。